西山産婦人科不妊治療センター[不妊一般治療・体外受精・顕微授精]

不妊治療基礎知識

PART2 不妊症の治療

不妊治療の手順

不妊症と診断されたらおおよそ次の手順で治療していきます(ただし個人差があります)。

3か月〜6か月 不妊学級 不妊症についての解説、検査治療の説明
基本検査 基礎体温測定一般精液検査
フーナーテスト頸管粘液検査
子宮卵管造影経膣超音波診断
性交指導 排卵日予測のためにLHチェックおよび、
超音波検査を行う
6か月〜1年間 薬物療法 薬物療法による排卵促進黄体機能不全の是正
排卵誘発
(過排卵の誘発)
HMG−HCG療法
人工授精 洗浄・濃縮精子による人工受精

一般不妊治療で2年以上妊娠しない場合は体外受精−胚移植(ただし、不妊原因により早期に体外受精−胚移植を行うこともある)。

初めの一歩は性交指導

不妊治療の初めの一歩は、最も妊娠の可能性が高い排卵直前に性交を持つことから始まります。

図1
参考文献(5)
最適日…
排卵は基礎体温が低温相から高温相に移行するほぼ2日の間に起こりますが、最終低温日が頸管粘液の性状がよいことが多く、この日が最適と考えられています。
排卵日の予測…
経膣超音波診断を行います。卵胞の直径が20mm前後で排卵となります。また、排卵数日前から頸管粘液の増量を確認し、粘液が十分に貯蓄している時期に性交を行えば妊娠の確率は高くなります。
超音波卵胞計測

図2経膣超音波で卵巣内の卵胞の大きさを測り、排卵日を特定します。卵胞直径20mm前後で排卵となります。卵胞計測は、性交指導はもちろん、人工授精(排卵日に合わせて精子を注入)、体外受精(採卵日を決める)に欠かせない検査です。

尿中LH…
排卵日の1〜2日前にLH(黄体化ホルモン)が尿中に多量に排泄されるので、反応が陽性にでた翌日に性交を持つと妊娠率が高くなります。
精子と卵子…
排卵1週間前の性交によって妊娠したという例がありますが、これは極めて例外的なものです。精子は女性の体内で24〜48時間受精能力を持っています。一方、卵子は、排卵後12〜14時間とされています。ただ基礎体温が上昇しはじめると、頸管粘液が急激に減少するため通常の性交での妊娠の可能性は少なくなりますから最終低温日に性交するのが望ましいとされてます。

薬物療法

軽度の排卵障害には クロミフェン療法 が有効です。これが無効の排卵障害には HMG-HCG療法 が用いられます。

クロミフェン療法

対象・・・月経不順の方、時々排卵のない方。
このように、卵巣を刺激する性腺刺激ホルモンの分泌が十分でない場合はクロミフェン療法という方法が有効です。
卵巣から卵胞ホルモンがある程度分泌されていることが条件となり、月経周期の5日目から5日間毎日1〜3錠内服すると、約2週間後に排卵が起こります。

図3
参考文献(1)
  1. クロミフェンを月経周期の5日目から5日間服用すると、FSHの分泌が促され卵胞発育が始まります。
  2. クロミフェン服用開始日から12〜14日目に通常2〜3個排卵しますが、10日目以内に排卵(体温上昇)をみるものは妊娠率が低下します。
HMG-HCG療法(注射の排卵誘発剤)

クロフェミン療法で排卵に至らない場合には、HMG−HCG療法を行います。まず、卵巣を刺激するHMGというホルモン剤を1〜2週間投与すると、卵巣に多数の卵胞が成長します。卵胞が十分に成長したと確認できた日にHCGという卵胞を破裂させる作用を持つホルモン剤を投与する方法です。

図4
参考文献(1)
  1. HMGを消退出血(あるいは月経周期)の5日目から7〜14日間投与すると卵胞が成熟します。
  2. 卵胞直径が18〜20mmに達した時に、HCG5,000〜1,000単位を投与すると排卵します。

通常数個の排卵がみられ、血中エストラジオールは正常の数倍レベル(1,000〜3,000pg/ml)に達します。

副作用

HMG−HCG療法による排卵誘発に伴い多胎妊娠とともに卵巣過剰刺激症候群(OHSS:卵巣腫大、腹水、ときに胸水)が起きることがあります。 症状が重くなると血液循環動態にも影響が出て、血栓症や呼吸障害を起こすことがあります。症状が出たらすぐに医師に相談し有効な治療を受けましょう。

参考文献(1)

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