西山産婦人科不妊治療センター[不妊一般治療・体外受精・顕微授精]

不妊治療基礎知識

PART4 反復流産・早期流産Ⅰ

不育症あるいは習慣流産とは

赤ちゃんを望みながら流産を繰り返し、生児を得られない場合を「不育症」といいます。続けて2回流産を経験した場合を反復流産、3回以上を習慣流産といいます。

早期流産とは

流産とは妊娠 22 週未満で妊娠が中絶されることで、全妊娠の 10 〜 15 %を占めるといわれています。(自覚しないままに流産に至っているものも含めるとかなりの割合になると推定されています)

着床後 2 〜 4 週の早期の流産を含めると流産率は 50 %くらいになります。

実際には着床後 2 〜 4 週の早期の流産は予想以上に多く、これを含めると 50 %くらいになると推定されているのです。これらの早期の流産の大部分が卵や精子の染色体異常が原因とされています。加齢にともない流産率が上昇しますが、その主な原因にも染色体異常がかかわっていると考えられています。

胎児心拍

ごく早期の流産のリスクの高い時期が過ぎ、妊娠 6 週頃になって、超音波診断で胎児の心拍が認められた場合は、その後の流産率は 5 %前後、あるいはそれ以下に低下すると報告されています。

流産への対応

従来、原因の精査は習慣流産が対象でしたが、最近は、2回流産を経験した反復流産の段階で積極的に検査を行うようになっています。また、なかには1回目の流産であっても原因の精査が必要なこともあります。流産の原因によっては治療を行い、次の妊娠時の流産を防ぐことができる場合があります。早めに検査を受けたほうがいいでしょう。

妊娠
1回目の流産
2回目の流産
3回目の流産
要精査

3回続けて流産を経験した場合は習慣流産として原因を調べ、その結果に応じた対応が必要です。

場合により精査

流産を1回経験したとしても、その後に流産を反復する確率が有意に高いということはありません。

要精査

流産を2回経験した場合、3回目には生児を得る確率はやや低下します。自己免疫疾患、血液疾患、感染症などの疾患を有するか、高齢の場合は検査が勧められます。

習慣流産の原因

習慣流産の原因には、母体の局所的原因に基づくもの、全身的異常に基づくもの、また胎児に起因するものなど多様な因子がかかわっていると思われます。しかし、個々の例でいずれの異常が習慣流産の原因であるか特定することは必ずしも容易ではありません。習慣流産の原因としてあげられている異常が、健常者にもみられることも多く、各因子の特異度が低いのが問題となっています。

習慣流産のリスクを上昇させると考えられている因子を紹介します。

習慣流産のリスクを上昇させる因子
染色体異常
胎児の初期発生段階で生じるものと両親の染色体異常に起因する場合がある。
血液型不適合
抗Rh抗体を有する妊婦から胎児に抗体が移行し、貧血、胎児水腫、胎内死亡を招くことがある。
子宮の形態異常
先天的な子宮の形態異常、子宮筋腫あるいは子宮腺筋症などが関与する。
代謝障害
糖尿病や甲状腺機能障害が流産の原因になる。
感染症
細菌やウィルスによる感染が原因になる。
環境因子
過度の喫煙、飲酒、コーヒーなどが原因となる。
黄体機能不全
黄体機能不全に基づく着床期子宮内膜の形態学的異常や、着床にかかわる接着因子などのサイトカインの異常に基づくもの。
自己免疫疾患
自己免疫疾患に伴う流産で、とくに抗リン脂質抗体が注目されている。
同種免疫異常
ヒト組織適合抗原( HLA 抗原)が夫婦間で類似している場合に、妊娠維持に必要な遮断抗体の産生が障害され、流産を誘発するという考えがある。

参考文献(1)

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