一般不妊治療・体外受精・顕微授精 西山産婦人科不妊治療センター

院長 西山幸江(生殖医療専門医・臨床遺伝専門医)
名誉院長 西山幸男(生殖医療専門医)

NEW INFOMATION OF INFERTILITY

クリニック便り

2023年2月号 最終版

テーマ これからの不妊治療と社会

不妊カウンセラー部門 より

はじめに

不妊カウンセラーの研修は1997年(平成11年)に不妊カウンセリングセミナー 97-Tokyoに始まり現在に至っています。
私がセミナーを受けてからと現在に至るまでを振り返ってみますと患者様の精神的悩み、治療に向けた内容には特別な治療以外は大きな違いはないように感じています。

25年前から感じたこと

近年の生殖医療の治療法は先進医療の開発で受精率も向上し着床前診断で妊娠率も高くなっています。今や細胞の操作により卵子の若返りが取り組まれ神聖な領域までもが人為的になってきました。
私がかかわった25年前から感じたことは、女性が妊娠し、出産までの道のりにはまず、女性の妊娠しやすいを体つくり、健康な子宮と、若い卵子、正常な男性の精子です。今ならまだ間に合う年齢の子供たちに体力、気力を作る健康な体になってほしいと思っています。
少子高齢の社会でも高齢者は元気に社会貢献しています。
少子を改善するには次の世代に存続する人たちの生命を守る事、環境を整え、教育を考え、仕事と家庭が両立できるための社会に向けた取り組みを自分たちの身近から発信して良い方向に向かうことを願っています。

保険診療について

最後に今の保険診療について考えます。
昨年、4月に不妊治療の保険適用が拡大され診療への大変革がありました。
一般不妊、体外受精などで保険適用の恩恵があるものでも年齢に回数制限があります。地域によっては一部助成金制度をとっていますが金額は以前の助成金制度には及びません。医療の質を上げてきた不妊治療も保険で認められる薬剤や検査に制限もあり医療機関を悩ませているのが現状です。保険と自費とが混在してはいけない保険のルールがなくならない限り新しい治療方法の開発は鈍化して結果を求められる治療の費用に無駄使いが起きてしまわないかと懸念します。患者様の現在の状況はどうでしょう。コロナ感染の問題もありましたが生活は厳しく、社会は男女共同参画、業務デジタル化など変革ラッシュです。男女ともにストレスが増えています。精神的にも肉体的にも疲労と疲弊が重くのしかかり明るい兆しは遠く感じています。今の社会にできることは未来を感じる環境を整え、男女ともに家庭を作る仕組みを国の政策に取り入れてほしいと願うばかりです。クリニック便りでいろいろな試みを発信してきましたが次の世代のスタッフたちにバトンタッチします。

ホームページの内容もデジタル社会に沿って写真をそろえていくつもりです。
今後もよろしくお願いします。

不妊カウンセラー 西山純江
PAGETOPへ