開院以来、妊娠総数と治療法の内訳を記録しています
当院では開院以来今日まで、当院を初めて受診・不妊治療を受けた方々の妊娠総数と治療法の内訳を記録しております。以下に「新患総数と妊娠総数および妊娠率」、「妊娠例における治療法の内訳」をご紹介いたします。なお、毎月の妊娠例とその治療法については「妊娠喜びの声」を参照ください。
当院では開院以来今日まで、当院を初めて受診・不妊治療を受けた方々の妊娠総数と治療法の内訳を記録しております。以下に「新患総数と妊娠総数および妊娠率」、「妊娠例における治療法の内訳」をご紹介いたします。なお、毎月の妊娠例とその治療法については「妊娠喜びの声」を参照ください。
1984年(昭和59年)11月1日の開院以来、2020年(令和2年)12月31日現在までに、西山産婦人科で妊娠された方の総数は、6873人です。新患総数10668人に対する妊娠率(通算)は64.4%です。
(1984年11月1日~2020年12月31日)
新患総数 | 10668人 |
妊娠総数 | 6873人 |
妊娠率 | 64.4% |
妊娠された方の治療法別内訳および妊娠者数は下記の通りです。
(1984年11月1日~2020年12月31日)
治療法 | 妊娠数 | |
---|---|---|
1 | HCG | 3842 |
2 | 人工授精(AIH) | 1924 |
3 | 体外受精(顕微授精を含む) | 1940 |
4 | クロミッド | 1747 |
5 | 子宮卵管造影(HSG) | 724 |
6 | 卵管通水法 | 303 |
7 | フーナーテスト | 284 |
8 | HMG | 272 |
9 | 当帰芍薬散 | 161 |
10 | プレドニン(副腎皮質ホルモン剤) | 154 |
※治療法は単独ではなく、複数を組み合わせて行っていますので、実際の妊娠者数と治療法別の妊娠者数の合計は異なります。
不妊治療は、開院より30年以上の時を経て、著しく進歩、発展しております。この点に配慮し、上記統計の中から、最近5年間(平成26年~平成30年)に妊娠された方々に焦点を当てて、治療法の内訳をご紹介します。
平成26年~平成30年の5年間に、当院を初めて受診され、治療を受けて妊娠された方は1522人です。治療法の割合は、体外受精・顕微授精による妊娠51.7%、人工授精(AIH)を含む一般治療法による妊娠48.3%です。
(平成26年~平成30年)
治 療 法 | 妊娠数 | |
---|---|---|
1 | 体外受精・顕微授精(ART) | 787 |
2 | HCG(排卵促進剤) | 493 |
3 | 人工授精(AIH) | 366 |
4 | クロミフェン(排卵促進剤) | 182 |
5 | 子宮卵管造影(HSG) | 162 |
6 | フーナーテスト | 66 |
7 | HMG(排卵促進剤) | 54 |
8 | 当帰芍薬散 | 13 |
9 | 卵管通水法 | 9 |
10 | プレドニン(副腎皮質ホルモン剤) | 12 |
※治療法は単独ではなく、複数を組み合わせて行っていますので、実際の妊娠者数と治療法別の妊娠者数の合計は異なります。
近年は半数以上の方が生殖補助医療(体外受精・顕微授精)で妊娠されています。女性の体にやさしい排卵促進法を実践するとともに、受精卵の染色体移動を担う紡錘体(ぼうすいたい)を傷つけないオーサイトシステムや、培養中の受精卵を守るタイムラプス培養器など、最新の医療機器を採用したことが、こうした結果につながったと考えております。
不妊原因によって治療法は異なります。すべての患者様に体外受精が必要なわけではなく、人工授精(AIH)で妊娠される方も多くおられます。
当院では、人工授精を含む一般不妊治療の成績を向上させるために、不妊の原因を知るために精細な検査を行う他、排卵促進剤の選び方や超音波検査による排卵時期の予測、精子調整の技術など、生殖補助医療で培われた高度な治療技術を生かして治療に取り組んでいます。
当院で人工授精を受けた患者様の妊娠率を紹介させていただきます。ぜひ、参考になさってください。
(平成27年1月~平成29年12月)
患者数 | 727人 |
妊娠数 | 209人 |
妊娠率 | 28.7% |
患者数 | 2412人 |
妊娠数 | 209人 |
妊娠率 | 8.7% |
平成27年~平成29年の3年間に、当院の人工授精で妊娠した方のデータです。3年間に727人の方が人工授精を受け、209人の方が妊娠しましたので、妊娠率は28.7%です。
しかし、1回で妊娠しなかった方は、翌月も繰り返して行うことが多く、727人の方が反復して受けた「のべ患者数」は2412人となり、人工授精の治療総数に対する妊娠率は8.7%となります。
妊娠した方が何回目のAIHで妊娠したかを示しています。妊娠した209人のうち1回目および2回目で妊娠した方はそれぞれ69人と57人で、2回目までに妊娠した方は60.3%に達しています。
累積妊娠率(%)を示したものです。妊娠した方のうち、約76%の方が3回目までに、約90%の方が5回目までのAIHで妊娠しています。それ以降の妊娠率は低くなる傾向にあります。
平成29年9月、日本産科婦人科学会より、平成27年(2015年)に全国約600施設にて実施された体外受精の治療件数、出産数等が発表されました。この機会に、当院にても平成27年に当院で体外受精を受けられた方々の出産率をまとめました。日産婦調査に準じて、30歳、35歳、40歳、42歳で体外受精を受けた方々の出産率および、流産率についてもご報告いたします。
全国統計 (日本産婦人科学会) |
当院データ | |
---|---|---|
2015年に出産に成功した割合 (出産数/総治療周期数) |
11.7 | 12.6 |
30歳で出産に成功 (出産数/総治療周期数) |
21.5 | 25.0 |
35歳で出産に成功 (出産数/総治療周期数) |
18.4 | 22.2 |
40歳で出産に成功 (出産数/総治療周期数) |
9.1 | 9.4 |
42歳で出産に成功 (出産数/総治療周期数) |
4.5 | 9.4 |
30歳で流産 (流産数/妊娠数) |
16.5 | 13.3 |
35歳で流産 (流産数/妊娠数) |
20.1 | 14.7 |
40歳で流産 (流産数/妊娠数) |
34.6 | 40.0 |
42歳で流産 (流産数/妊娠数) |
45.9 | 40.0 |
このたびは、出産率という形で体外受精の成功率を考えてみました。不妊治療の目的はご夫婦に元気な赤ちゃんが授かるご出産であり、赤ちゃん誕生のあとには子育てがあります。当院ではご妊娠をゴールと考えることなく、妊娠・出産・子育てを視野に入れて、女性の心身の健康を守ることを最重要課題として、不妊治療に取り組んでおります。
一組でも多くのご夫婦に赤ちゃんが授かるように、スタッフ一同、更なる研鑽を重ねて参ります。治療の過程でわからないことがありましたら、いつでも気軽にご質問ください。