一般不妊治療・体外受精・顕微授精 西山産婦人科不妊治療センター

院長 西山幸江(生殖医療専門医・臨床遺伝専門医)
名誉院長 西山幸男(生殖医療専門医)

PGT-A/SR

PGT-A/SR

PGT-A/SRのご案内

当院は日本産科婦人科学会主導で行われましたPGT-A特別臨床研究の実施医療機関として認定され、2020年1月より参加しております。特別臨床研究は2022年8月31日をもって終了し、現在は将来的な保険適応を目指し、日本産科婦人科学会が提示した新見解・細則にのっとりPGT-A/SRは実施されています。当院は、日本産科婦人科学会の施設認可を受けており、適応を満たす方には引き続きPGT-A/SRを実施することができます。

PGT-A/SRとは

PGT-Aとは?

PGT-Aは、受精卵に染色体数の異常がないかを調べる染色体検査です。女性の加齢に伴ういわゆる「卵子の老化」として偶発的に起きる染色体数異常が、流産やARTの成功率低下に影響しています。PGT-Aは着床して妊娠する可能性の高い胚を選択することで、流産を回避しARTの成功率向上を目的として実施しています。

PGT-SRとは?

PGT-SRは、両親のどちらかが均衡型の染色体異常(相互転座や逆位など)を有する場合、受精卵に不均衡な染色体異常がないか調べる染色体検査です。不均衡な染色体異常を持つために起きうる流産などのリスクを低減することを目的とします。

PGT-A/SR対象者

PGT-Aの対象者
  1. 反復ART不成功(不妊症のご夫婦)
    胚移植で2回以上臨床的妊娠が成立していない方。
  2. 反復流産(不育症のご夫婦)
    過去の妊娠で臨床的流産や死産を2回以上反復している方。

※子宮形態の評価、夫婦の染色体検査、抗リン脂質抗体症候群についての精査は必要ありません。

PGT-SRの対象者

ご夫婦のいずれかに染色体異常が確認された方
転座、逆位、重複などの生殖に影響する染色体構造異常をお持ちの方。

※子宮形態の評価、夫婦の染色体検査、抗リン脂質抗体症候群についての精査は必要ありません。

詳細は診察時に確認させていただき、対象外と判断される場合もあります。

※下の表をクリックすると詳しくご覧いただけます。

PGT-A/SRの流れ

    PGT-A/SR検査をご希望されているは、まず適応条件のご確認をお願いします。
    患者様からPGT-A/SR実施前の遺伝カウンセリングのご予約を電話またはメールにていただきます。
遺伝カウンセリング当日までに、日本産科婦人科学会より2種類の動画が配信されていますのでご視聴の上ご検討ください。
PGT-A・SR 動画、動画視聴後確認シートを記入の上来院の際にお持ちください(当院でも検査を希望される方にお渡しします)。
ご夫婦の遺伝カウンセリングを行い、署名していただきました同意書および確認シートを提出していただきます。
※オンライン診療での遺伝カウンセリングも可能です。遺伝カウンセリング料は8,000円(税別)です。
※反復流産の方には、不育症検査(血液検査)とご夫婦の染色体検査を行います。
体外受精:排卵誘発・採卵を行い、受精卵を培養します。
胚盤胞期まで成長した受精卵の細胞を採取し、PGT-A/SR染色体検査を行います。
解析の情報と胚移植に関するカウンセリングを行い、移植可能と判定された胚があれば、正常な受精卵を融解し胚移植を行います。移植可能胚が得られなかった場合は、再度採卵を行います。

PGT-Aの成績

当院の成績

当院におけるPGT-Aの成績(2020年1月〜2022年8月)2020年の全国のART成績を胚移植あたりの妊娠率(子宮内に胎嚢が確認できた妊娠率)で比較。PGT-Aを行うことにより、胚移植あたりの妊娠率の改善、流産率の減少、また生児獲得までの期間の短縮が見込まれます。

Q&A・注意事項

※質問をクリックすると回答がご覧いただけます。

  1. PGT-A/SRの費用について
  2. 保険適応外の治療のため、採卵から検査、胚移植まで一通りの治療はすべて自費となります。当院で採卵を行い凍結してある受精卵を融解・培養して検査を行うことも可能ですが、保険診療で採卵した受精卵は対象となりません。
  3. PGT-A/SRで赤ちゃんの性別はわかりますか?
  4. 学会の規定により、性別はお伝えすることできません。また男女の産み分けは行っておりません。
  5. 結果はいつ頃分かりますか?
  6. 検査結果が届くまで約2-3週間かかります。結果が分かり次第、連絡いたします。
  7. PGT-A/SRを行うと必ず移植できますか?
  8. 検査結果によっては移植に適した胚がなく、移植に至らない場合があります。特別臨床研究の中間報告では、研究参加者のうち約6割の方は移植可能胚が得られなかったと報告されています。
  9. PGT-A/SRを行えば元気な赤ちゃんが生まれますか?
  10. PGT-A/SRは胚の染色体異常を調べる検査なので、染色体以外に起因する流産や赤ちゃんの病気などはわかりません。染色体正常胚を移植する場合、妊娠率は約70%、流産率は約10%と報告されています。
  11. PGT-A/SRを行った胚で妊娠した場合、出生前検査は受けなくてもいいですか?
  12. 日本産科婦人科学会提供の着床前胚染色体異数体検査における胚診断指針の「15.PGT-A 後の胚移植で妊娠した場合、出生前検査は行った方が良いでしょうか?」を参考にしてください。
  13. 分割期胚は検査できますか?
  14. 分割期胚では検査は行いません。分割期の検査は侵襲性が高く、検査精度も高くありません。
  15. PGT-A/SRを行った場合、新鮮胚移植はできますか?
  16. PGT-A/SR検査を行った場合は、新鮮胚移植はできません。胚は一度凍結保存して検査結果を待ちます。検査の結果、移植可能胚が得られたら融解して移植します。

問い合わせなど

問い合わせ

PGT-A/SRを通して患者さまの妊娠率の向上や流産率の低下を目指し、一人でも多くの方に貢献できるよう、精一杯お手伝いさせて頂きたいと思います。

PGT-A/SRのご相談をご希望の方は電話またはメールにてお問い合わせください。オンライン診療での相談も可能ですのでご希望の方は一度当院までご連絡ください。
059-229-1200 メールにてお問い合わせ

PGT-A/SRの最新の情報

当院では、学会や論文などからPGT-A/SRに関する最新の知見を勉強しています。参考にしました論文などはnoteにて紹介しています

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