一般不妊治療・体外受精・顕微授精 西山産婦人科不妊治療センター

院長 西山幸江(生殖医療専門医・臨床遺伝専門医)
名誉院長 西山幸男(生殖医療専門医)

排卵を整える漢方薬療法

排卵を整える漢方薬療法

排卵を整える漢方薬療法

排卵を整えるために、漢方薬を併用する場合があります。

多くはホルモン療法と併用します

漢方薬は、体質を基本に具体的な症状に応じて処方されます。不妊治療では主に排卵障害に多く用いられ、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)、温経湯(うんけいとう)、柴苓湯(さいれいとう)など、さまざまな漢方薬が使われています。漢方薬単独で使われることは少なく、多くは排卵を整えるホルモン剤と併用されます。

最も多用されるのは当帰芍薬散です

当院の場合、最も多く処方されているのが、当帰芍薬散です。排卵障害のある方は冷え症を訴える方が多く、当帰芍薬散は「体力虚弱で、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすい」方の「月経不順、月経異常、月経痛」や「足腰の冷え症」などの症状に有用です(ツムラ/漢方薬案内より一部改変引用)。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と柴苓湯

柴苓湯が多嚢胞性卵巣症候群による排卵障害に有効との報告もあります。クロミフェンと柴苓湯を併用した結果、排卵率が高くなったという報告のほか、柴苓湯単独で排卵の回復に大変有効との報告がされています。
榊原秀也医師(横浜市立大学大学院医学研究科 産婦人科学 生殖生育病態医学)が2011年に発表したもので、多嚢胞性卵巣症候群と確定診断された女性24人に、柴苓湯を投与したところ、3か月後に87.5%(24例中21例)の方に排卵の回復が認められたそうです。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)にはステロイド剤のプレドニンがよく使われますが、柴苓湯には、体内で分泌されるステロイドホルモンに似た作用があるといわれています。

不妊のストレスと加味逍遥散

早く妊娠したいのにできない…ストレスが、心身の不調を招く場合があります。排卵をコントロールする脳の「視床下部」はストレスの影響を受けやすく、排卵や月経周期が乱れる一因になる場合もあります。
漢方薬は身体症状だけでなく、精神症状の緩和を目的に処方されることがあり、多く使われているのが加味逍遥散です。成分からいうと当帰芍薬散と加味逍遥散はかなり重複していますが、精神的なイライラが強い場合には、加味逍遥散を処方することがあります。

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