体外受精により得られた受精卵の一部を生検し、受精卵の持つ遺伝学的情報を診断する方法です。
受精卵を5~6日間育てた胚盤胞より5〜10細胞を生検します。生検した細胞の遺伝子や染色体を検査し、問題ないと判断された胚を子宮に移植します。PGTの目的は、重篤な遺伝性疾患児の出生を防ぐこと、流産率を減らし妊娠継続率を向上すること、体外受精の成功率を向上させることなどが挙げられます。
PGTの一連の流れ

着床前診断(PGT)には、大きく3つあります。
- PGT-Mは特定の遺伝子変異を調べる検査
- PGT-SRは染色体の構造の変化を調べる検査
- PGT-Aは全染色体の数を調べる検査
PGTの対象と検査方法について
対象 | 検査方法 |
---|---|
重篤な遺伝性疾患児を出生する可能性があるご夫婦 | PGT-M |
染色体転座などの染色体構造異常を有し流産を繰り返すご夫婦 | PGT-SR |
反復ART不成功(直近ET2回以上で妊娠不成功)のご夫婦 | PGT-A |
習慣流産(反復流産を含む)のご夫婦 | PGT-A |
染色体転座などの染色体構造異常を有するご夫婦 | PGT-A |
PGTの具体的な方法
- PGT-Mは院内・第3者機関での遺伝カウンセリング→症例ごとに日本産婦人科学会への個別申請・承認→院内倫理委員会にて審議・承認→PGT-Mを実施となります。
- PGT-SRはPGT-Mと同様に個別申請が必要でしたが、2020年から日本産科婦人科学会のPGT-Aの臨床研究の対象となり、日本産科婦人科学会への個別申請が不要になり治療開始が大幅に短縮されました。
- PGT-Aは2020年から日本産科婦人科学会の「PGT-Aの有用性に関する多施設共同研究」として実施中です。当院は、2019年12月26日付けにて本研究に参加し、日本産科婦人科学会が提示する条件に当てはまる方に対して、臨床研究に参加いただいています。
PGT-Aについてはこちらをご覧ください
※上記の詳細・費用等については来院・面談にてご説明させていただきます。
患者様の状況に合わせた遺伝カウンセリングを行い、一人でも多くの方に貢献できるよう、精一杯お手伝いさせていただきたいと思います。
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