一般不妊治療・体外受精・顕微授精 西山産婦人科不妊治療センター

院長 西山幸江(生殖医療専門医・臨床遺伝専門医)
名誉院長 西山幸男(生殖医療専門医)

NEW INFOMATION OF INFERTILITY

クリニック便り

2022年3月号

テーマ 不妊治療の保険適応に関する情報

不妊カウンセラー部門 より

はじめに

不妊治療の保険適応に関する現時点での情報です。
内容についてご存じの方も見えると思いますので注意点を参考にしてください。

不妊治療の保険適応に関する現時点での情報
保険適用の対象者や治療の回数について

年齢制限は助成金で対応していた時と同じです。
保険適用の対象となるのは、不妊症と診断された男女で、治療開始時点で女性の年齢が43歳未満であることを要件としています。 治療開始時点の女性の年齢が、40歳未満の場合は子ども1人につき最大6回まで、40歳以上43歳未満の場合は最大3回まで適用するとしています。 また、事実婚の男女についても保険適用の対象とするとしています。
一方で、保険適用の対象にならない治療や検査を受けようとすると、その治療や検査にかかる費用だけでなく、患者が受ける不妊治療にかかる費用すべてが今まで同様に全額自己負担になります。

今回の注意点

薬剤や検査は保険適応の国が認めた範囲内で行うことになります。治療の効果や技術については一律なので加味されていません。
保険適応での治療内容は診療費を安価に抑える反面、治療内容の質の低下になる可能性があります。 苦慮するのは患者様同様に施設も同じです。

保険での治療と先進医療の組み合わせについて

先進医療の申請を認可された施設では、不妊治療の保険適応と先進医療を保険で受けることができます。
施設側は先進医療の内容を国に申請して認可を受けます。 現在、タイムラプス培養が申請中ですので患者様にとってメリットとなります。 着床前診断は先進医療になりません。PRP療法に関してもまだはっきりしていません。すべてが先進医療になるわけではないので、妊娠の効果を高めるための技術はこれからの不妊治療が抱える問題になりそうです。

治療をすべて自費にする場合
治療をすべて自費にする場合は、今まで通りのオーダーメード治療を受けることができます。年齢制限のある患者様は今までの場合と同じく、内容も費用すべてが自費のため何も変更はありません。

今回の保険拡大の朗報は人工授精に年齢制限がないとの情報です。
今まで人工授精は自費診療でしたが今回の保険適応に年齢制限がないのは患者様にとっては良いことですね。 人工授精の手技も体外受精と同じように精子調整をしますので質の高い人工授精の継続に今後も引き続き頑張っていきたいと思っています。
今後の課題は保険適応に追加できる先進医療の内容です。 先進医療として何が認めてもらえるか私たちも期待と不安の日々で注視しています。 日本不妊カウンセラー

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