一般不妊治療・体外受精・顕微授精 西山産婦人科不妊治療センター

院長 西山幸江(生殖医療専門医・臨床遺伝専門医)
名誉院長 西山幸男(生殖医療専門医)

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クリニック便り

2015年秋号 簡易版

テーマ鍼灸(しんきゅう)治療について

鍼灸治療とはどんな治療法でしょう
鍼灸治療は伝統的な東洋医学のひとつです

世界には地域ごとに長く伝承されてきた伝統医学があります。中国で生まれた中医学(東洋医学)は、インドに発祥したアーユルヴェーダなどとともに、数千年の歴史をもつ伝統医学のひとつですが、なかでも最も理論的体系が整った医学といわれています。
日本における東洋医学には、鍼灸・漢方薬・按摩(あんま/指圧・マッサージ)などの治療技術があり、鍼灸は中国から日本に伝わり(6世紀ごろといわれています)、日本人に合った鍼灸技術が発展しました。

鍼灸治療には鍼(ハリ)と灸(きゅう)があります

鍼灸の鍼(しん)は、いわゆるツボにハリを打つことをいいます。灸(きゅう)はヨモギの葉を乾燥させた艾(もぐさ)をツボに当てて、温熱刺激を与えることをいいます。

鍼灸治療ではツボ(経穴/けいけつ)に刺激を与えます

ツボは経穴(けいけつ)のことです。
「気の流れ」という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、気(き)は、大気や食物から得られる生命エネルギーのことです。
東洋医学では、私達の体を構成するさまざまな内臓や器官が相互に関連し合う「気の流れ」があり、これを経絡(けいらく)といいます。そしてツボは経絡への入り口です。これは「経絡経穴理論」と言って「臓腑理論」「陰陽理論」「気・血・水理論」などと並んで、中医学の基礎理論のひとつです。
理論体系は非常に複雑なので詳細な説明は控えますが、あるツボを刺激することで、このツボにつながる体の部位の症状が軽減されると理解してください。

国家資格をもつ鍼灸師が治療を行います

鍼灸治療では体の構造や臓器それぞれの働きを熟知した上で、患者様の体質や症状に応じたツボを探り当て、正確にハリを打ったり、お灸をしないといけません。
日本の場合、鍼灸治療を行えるのは、専門の学校で学んだあと、国家試験を通って資格を得た鍼灸師です。ちなみに鍼と灸、それぞれに試験があり、鍼灸師は鍼師と灸師、両方の資格をもっています。

不妊治療を補完する鍼灸治療について
鍼灸治療の効果はWHOも認めています

鍼灸治療の効果については、最近は科学的な分析による研究が進み、WHO(世界保健機関)もその治療効果を認めています。婦人科の領域では、月経痛、月経不順、冷え症をはじめ、不妊症への効果が挙げられています。

不妊症の方に多い冷え症を軽減します

不妊症の方に目立つのが冷え症です。手足だけでなく、手で触ると冷たく感じるぐらいにおなかが冷えている方もおられます。胃腸が冷えると食物が十分に消化・吸収されない心配があります。下腹部の冷えは基礎体温が低いことを示し、月経不順やホルモンバランスの乱れが考えられます。
たとえば、三陰交(さんいんこう)というツボがあります。位置は内側のくるぶしの上のほうです。ここは「婦人の三里」とも呼ばれていて、ハリを打つ、お灸をすることで、月経痛や冷え症などが軽減されることがわかっています。

瘀血(おけつ)症状の軽減が期待できます

中医学では、気と合わせて、血(けつ/血液と血液で運ばれる栄養分や酸素のこと)、水(すい/血液以外の水分のことで、老廃物を体外に排泄する働きをします)のバランスが重要と考えます。とくに気血の不足は生殖機能の低下につながるといわれ、女性の場合、瘀血といって血液の流れが滞ると、月経痛や月経不順、子宮筋腫、卵巣嚢腫などのトラブルが起こりやすいといわれています。
鍼灸治療は従来、瘀血の解消に有効とされており、代表的なツボには、太衝(たいしょう)、膈兪(かくゆ)、血海(けっかい)、三陰交(さんいんこう)などがあります。

自律神経の失調症状の軽減が期待できます

鍼灸治療は身体症状のほかに、自律神経の失調症状や、精神的なイライラ、不眠症などにも有効と言われています。ホルモン分泌のコントロールセンターは脳にあり、その隣には、心身のストレスを感受するセンサーがあります。精神的なストレスが月経不順の大きな原因になることはよく知られています。鍼灸治療はこれらの神経系の症状にも有効といわれています。

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