一般不妊治療・体外受精・顕微授精 西山産婦人科不妊治療センター

院長 西山幸江(生殖医療専門医・臨床遺伝専門医)
名誉院長 西山幸男(生殖医療専門医)

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2011年新春号

テーマいつも健康&綺麗!女性の健康美を創る暮らしNo.3 「腸の健康を守って内側から美しく」その2

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。

今号では腸の健康を守る食生活を含む具体的な生活法について触れていきたいと思います。
前号では西洋医学を中心に腸の働きについてお話してきましたが、ここから先は、「未病」という概念を日本に初めて紹介された未病医学研究センター所長、天野 暁(劉影)先生のアドバイスも交えてお話を進めていきましょう。

Part1 東洋医学に学ぶ心身のバランス
気・血・水とは

東洋医学では、気・血・水のバランスを大切にします。
「気」とは生命力、エネルギー、やる気のことです。
「血」とは体をめぐる血液の量と流れのことです。
「水」とは血液以外のすべての体液を指します。
気、血、水がバランスよく働くことが大切ですが、とくに、元気の気であり、活気の気である気は重要です。
たとえば気が滞ると血の流れが滞る瘀血(おけつ)につながります。気は目に見えませんが、体の免疫力や自然治癒力を活性化させる重要な働きをもっています。

気を中心に血と水のバランスを

血は西洋医学でいう血液とほぼ同じ意味をもっています。血液の流れが滞ることを「瘀血」といい、とくに女性の場合には子宮や卵巣への血行不良(瘀血)がある場合、生殖機能が十分に働かなくなる心配があります。
また、栄養不足や運動不足から血液が全身に運ばれる栄養や酸素が少なくなることを「血虚」といって、女性に多い貧血の原因になります。瘀血も血虚も気の滞りに左右されます。
「水」とは体を潤わせる水分のことで、東洋医学では水分不足を陰虚、水分過多を水毒といいます。水分不足は精神的なイライラや皮膚の乾燥につながり、水分過多は女性に多い冷え症やむくみの原因になります。
女性が健康であるためには、気を中心に血と水のバランスが保たれることが大切なのです。

脳に幸福感を与えましょう

気は生命力、命のエネルギーといえます。生命力の源は脳にあります。脳に幸福感を与えることが大切です。幸福感はささいなことでかまいません。気のおけない友人との会話、おいしい食事をゆっくり味わうこと、好きな作家の本を読むことなど、誰にも幸せに感じる一瞬があるかと思います。1日に1回は「この一瞬が幸せ!」と思える時間を演出しましょう。脳の幸福感は女性ホルモンを活性化させます。血のめぐりも免疫力も活性化します。男性も同じ。幸福感を持つことは男性ホルモンも活発になります。

十分な睡眠で「気」を補いましょう

「気の隙間があるときは風邪をひく」という言葉があるように、気虚(気持ちの落ち込み)があると、体の免疫力も低下する心配があります。気を充実させるには、十分な睡眠がいちばん効果的です。1日最低7時間はたっぷり眠るようにしましょう。夜にまとまった睡眠時間はとりにくい多忙な人は、数十分でいいですから、お昼寝で睡眠不足を補いましょう。

Part2 腸をきれいにする食習慣

私たちの気力、エネルギー、免疫力をアップさせる源は食事から摂る栄養です。食事が心身の元気度を左右するといっていいでしょう。個別の栄養素についてはさまざまな情報があふれていますので、ここでは腸をきれいにする食習慣について考えてみたいと思います。

朝食の前に一杯の水と果物を

朝起きたら、まず口の中をきれいにすすぎましょう。頬の内側を含めて、口の中全体に水が行き渡るようにうがいをします。それから、一杯の水をゆっくり飲み干します。腸をきれいに洗い流すのが目的です。
15分ほど時間を置いてから、次に酵素を多く含む果物を食べましょう。好みのもの、季節のもので結構です。量を加減する必要はありません。その朝、食べたいだけの量を食べても大丈夫!でも常識範囲は守ってくださいね。
果物を食べたらまた15分ほど待ってから朝食を。水できれいになった腸に果物の酵素で活性化された腸が朝食を受け入れ、栄養素を効果的に体内に取り込むことができます。
ただ、糖尿病の既往症がある場合は果物が制限されていますので注意が必要です。

水分の取りすぎに注意しましょう

東洋医学では血液以外の体液(唾液や汗など)を「水」と総称します。水分が不足することを陰虚、水分過多を水毒といいますが、日本は湿度が高いため、水分不足による乾燥よりも水分過多の人が多いようです。水分過多は不妊症に悩む方に多くみられる冷え症を強めます。運動不足、夏場のクーラーの使いすぎ、冷たい飲料の飲みすぎ、衣服やインナーで体を締め付けることなどが原因になります。とくに冷たい飲料は腸管を冷やして消化・吸収の働きを低下させ、下痢の原因にもなります。できるだけ常温または温かい飲み物をとるようにしましょう。

Part3 ことわざに学ぶ食習慣

朝起きたら「一杯のお水と果物」を食べようとお勧めしましたが、果物に関しては「朝の果物は金」「1日1個のりんごは医者いらず」「トマトが赤くなると医者が青くなる」ということわざもあります。「腹八分に医者いらず」ということわざも有名ですね。その他、気がついたことわざを紹介しておきましょう。
そういえば、未病の概念は中医学4000年の歴史の中で提唱された考えだそうです。先人の知恵に学ぶことはとても大切です。

朝茶はその日の難逃れ

「朝茶は7里戻っても飲め」ともいうそうです。朝茶は栄養を云々するより縁起かつぎの意味のようですが、緑茶の効能については抗酸化作用を含めて多くの研究が発表されています。
また、劉影先生は免疫力の向上に薬膳と薬茶、薬湯を勧めています。科学的に効能が証明された漢方薬を使っての食養生、お茶、そして入浴です。入浴ではお湯に含まれる成分が皮膚を介して体内に取り入れられます。排卵促進剤に皮膚に添付する薬剤があるように、皮膚には強い吸収力があります。

砂糖食いの若死に

おいしいものばかり食べていては体によくないという意味でしょう。昔は砂糖が高級品だったためかと思いますが、お酒好きのご主人には、たとえば「酒飲みの若死に」とか、体を気遣って話してみてはいかがでしょうか。
若死には強烈過ぎるので、病気もちに変えて「酒飲みの病気もち」「野菜嫌いの病気もち」などとひとひねりしてもいいかもしれません。

夏は熱いものが腹の薬

昨年の夏は猛暑のせいで冷たい飲料や氷菓子が売れに売れた一方で、鍋物の材料も売れたと聞きました。おなかが冷えては消化・吸収力が落ちます。暑い夏こそ、温かいお茶や食べ物でおなかを冷やさない…こんな食の知恵を実践した人が多かったことかもしれません。

シリーズを終えるにあたり

劉影先生は北京の漢方医大を卒業後、アメリカで勉強中にWHO(世界保健機関)の試験に合格。WHOが指定した研修先である日本に来日後、順天堂大学医学部に入学し、医学博士号を取得した方です。
以来、「未病」をテーマに日本人の体質に合う漢方医学を研究され、現在は東大附属食の研究センター特任教授として活躍されています。 今号ではご縁があって、劉影先生の研究の一端を紹介させていただくことができました。うれしい限りです。
さて、時代のニーズに合ったテーマを取り上げる努力をしてきたクリニック便りも、そろそろリニューアルを考える時期になりました。情報がいっぱいの社会の中で皆さんと一緒に考える問題点を探していければ幸いと思っております。
皆さんが知りたいと思われるテーマがありましたら、ぜひ、お寄せください。
皆さんとご一緒に歩むクリニック便りであるために…。今年もよろしくお願い申し上げます。
不妊カウンセラー 西山純江

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