一般不妊治療・体外受精・顕微授精 西山産婦人科不妊治療センター

院長 西山幸江(生殖医療専門医・臨床遺伝専門医)
名誉院長 西山幸男(生殖医療専門医)

NEW INFOMATION OF INFERTILITY

過去のクリニック便り

2007年新春号

テーマわかりやすい遺伝の話 No.1 遺伝とは…

ことしのテーマは遺伝に関係したお話です。
一言に「遺伝」といっても奥が深いので、少しずつ進めていきたいと思います。

遺伝とは…

生物がもつ形や性質などが次世代に伝わることを「遺伝」といいます。では、遺伝形質はどのように親から子へと伝わるのでしょう。

私たち人間の体はおよそ60兆個の細胞でできていて、大きく体細胞と生殖細胞に分類されます。どの細胞の中にも遺伝子(遺伝情報を伝える単位)をもつ染色体があり、通常、染色体の数は46本(常染色体22対44本と性染色体2本)です。細胞分裂をするとき、体細胞の染色体の数は46本のままですが、生殖細胞は減数分裂をするため、染色体の数は半数の23本(精子は常染色体11対22本と性染色体XかYいずれか1本。卵子は常染色体11対22本と性染色体Xのみ1本)になります。そして、それぞれ23本ずつの染色体をもつ精子と卵子が受精してできた新しい命は46本の染色体をもつことになります。つまり、遺伝は父方の精子と母方の卵子とが受精して初めて起こる現象です。

生殖細胞の精子・卵子は次世代へ命をつなぎ、遺伝形質を伝える重要な働きをしているわけですね。

DNAと染色体

細胞には核という部分があり、核には染色体があります。そして染色体は簡単にいうとDNAの集合体です。この染色体を構成するDNAが遺伝の鍵を握っています。

外側が透明で内部が見えるお菓子箱を想像してください。1個のお菓子箱が1個の細胞とすると、通常、中には合計46個のお菓子が入っています。前項で述べたようにうち44個は同じ形のお菓子(染色体)が2個ずつセットになった22対で、常染色体といいます。あとの2個は性別を決める性染色体で、XとYの2種類があります。女性なら2個ともにXX、男性はXYです。

お菓子(染色体)の中をさらにのぞいてみると、ここにはさまざまなタイプのDNAが詰まっています。DNA(デオキシリボ核酸)は2本の鎖がからまったような物質で、2本の鎖をつなぐのが塩基対(えんきつい)です。この塩基対の配列パターンはひとりひとり個性があります。

私たちの体を構成する細胞のひとつひとつに染色体があり、その中にDNAがあるのです。そして親から子へと伝わる遺伝情報(遺伝形質)を決定します。この遺伝情報をもつもの、すなわちDNAが配列し、なんらかの働き(遺伝情報)を有する構造単位となって遺伝子は作動します。遺伝子の配列が「生物の設計図」というわけです。

生殖器の働きも遺伝子の生命設計図によるもので、その詳しい設計図の様子が明らかになりつつあり、またその対策も近い将来解明されていくと思われます。

次回は皆さんも聞き覚えある「メンデルの法則」と遺伝のお話です。

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